『あれ? 弱いぞ?』
戦闘艦としては最低位の、コルベット級[インパロール]を「依り代」とした私は、海賊のあまりの弱さに首を傾げる。
アマー帝国の船はアーマータンク、すなわち、装甲板で勝負するという、なんというか、ガチムチマッチョな防御思考をしている。それ故、シールド出力はそれほどでもないはずなのだが、1体多数であるにもかかわらず、下級戦艦のシールドすら損耗させられない。それでもお前ら海賊か?
とはいえ、随分と薄汚れているようにも見えるが、向こうも同じ[インパロール]のようではある。
性能の違いはそれほどないと見ていいだろう。
しかし、こちらのレーザーは相手のシールドを貫き、アーマにもそれなりのダメージを与えているのだ。
この差は何だ?
ああ、これが「カプセラ」であるということか。
そう、直感的に理解したのは、偶然にもこの時私に「スキルの学習」が完了した瞬間が訪れたためだ。
理解する。分かる。――いや、思い出す。
それは「そうだった、こうすればよかったのだ」という感覚に近かった。
未知だったスキルであるにも関わらず、「どうして今まで忘れていたのだろう」という疑念すら伴う、圧倒的な既視感がある。
そして、学習完了の瞬間、私の[インパロール]の航行速度そのものが体感5%もアップする。
つまり、お決まりの「あの設定」を引き継ぐのであれば、カプセラは全員「チート持ち」なのだ。
船の描く軌道も、放つビームの角度も、全てが非カプセラである海賊のそれとは生み出す効果が桁違いで、それらがダイレクトに戦闘結果に反映されているだけなのだ。
『優遇されるわけだ』
最後の海賊を爆散させ、そのデータが瞬時にどこかと共有され、タイムラグなく私の口座に 3,000 ISKが振り込まれる。
おそらくは、人、一人の命の価格。
それが高いのか安いのか、今の私には判断がつかなかった。
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